スウェーデンに真っ白なヘラジカ!世界中から反響!

白いヘラジカ

最終更新日 2017-08-20

こんにちは!スー子です。

先日、スウェーデンの中部・Värmland(ヴァルムランド)地方で白いヘラジカが目撃されSNSに投稿されたその写真が世界中で話題となってるのをご存知ですか?研究者によるとこれまでも白いヘラジカが存在することは知られていたものの、実際確認されることは少なかったため、ここまでの注目を浴びることはなかったと言います。


白いヘラジカ
(by Hans Nilsson)

スウェーデンのヘラジカ(älg)とは

スウェーデンには約40万頭の野生のヘラジカが生息していますが、そのうち白いヘラジカは100頭前後しかいないと言われていてとても珍しいヘラジカです。しかもその白いヘラジカの多くが白に近い薄い茶色であることがほとんどで、今回のような真っ白なヘラジカは極めて少なく珍しいと研究者は言います。
一般的な茶色いヘラジカと違い、体の大きさとその白い色によって他の野生動物から襲われにくいと言います。

Hans Nilsson氏(ヴァルムランド地方の公務員)が撮影した動画を紹介したスウェーデンのニュース番組の動画がこちら↓

スウェーデンでは、年間の一定時期に限りヘラジカを含めた野生動物の狩りが認められています。頭数が把握されていて、その範囲内での狩猟が許されています。私のホストファミリーのおじいちゃんや妹の旦那も狩りを趣味としていて、親戚にも上手な人がたくさんいます。彼らは秋がきてその年の狩りの解禁日になるとたいてい週末には狩りに出ます。

ヘラジカ狩りは趣味として楽しまれていますが、一方では貴重なたんぱく源として今でも大事に食されています。スウェーデン最北部のLappland(ラップランド)地方では、サーメ(サーミともいう)の民族の人たちが今でもトナカイを飼っていて食用にサラミにしたりスープに入れたりしていますが、ヘラジカはトナカイ以上に中部・北部スウェーデンでは一般的なお肉の一つです。私も滞在中はよくおじいちゃんお手製のヘラジカ肉と野菜のスープ(Köttsoppa)を食べていて、数あるスウェーデンの家庭料理でも大好物の一つです。

地産地消をすることで、自然に感謝をするのだとおじいちゃんは話していました。

狩ったヘラジカの立派な角を家に飾るのも北スウェーデン人としては名誉で、おじいちゃんの家には本当に立派な角が飾ってあります。

ヘラジカの角

大きなヘラジカの角、アンティークや年季の入った家具も素敵なおじいちゃん&おばあちゃん宅

私も滞在中に何度か森の中でヘラジカに遭遇したことがあります。人間に慣れているヘラジカもいて、車で近づいてもあまり逃げないこともありました。馬でもなく鹿でもない何とも言えないキュートな顔立ちに、ゴツゴツした大きい体がアンバランスで、とても魅惑的な野生動物だと思いました。

野生動物との共生を大切にするスウェーデン

目撃されたヘラジカは8歳くらいと見られていますが、ヴァルムランドの地元の狩人たちはこれまで白いヘラジカは狩らずに残す人が多かったといいます。その見た目の美しさ、珍しさに魅せられる一方で、人を集める貴重な存在だと認識していたからです。研究者によると、こうした地元狩人らの保護により白いヘラジカが以前より増えてきている可能性があるとしています。この白いヘラジカは、病気などで色素がないのではなく、遺伝的に白いと言われており、白いヘラジカが増える要因はその子孫が多く輩出されていることが考えられるのです。

今回の珍しい目撃とSNSでの投稿により、ヴァルムランドが有名になるのは嬉しいことではありますが、地元の人たちはマナーの悪いやじ馬や、環境に配慮のない行動を心配しています。自然豊かなヴァルムランドだからこそ、人の近くで生息する動物がいて、人と野生動物の共生が成り立っていることを忘れないでほしいとヴァルムランドに住むスウェーデン人の友人も言います。

ヴァルムランドのArvikaの森

ヴァルムランド地方のArvika(アルヴィカ)の森

野生動物に近く、様々なベリー摘みやキノコ採りも自由に楽しめるスウェーデンの森は日本人には魅惑的でとても興味深いです。スウェーデンに旅行する際には、都市部もいいですが、ぜひ中部や北部にも行ってみてください ^^ 想像以上の自然の豊かさと、それを大事に整備して守っているスウェーデンらしさを味わうことができると思います。
そして、時に凶暴化し人を襲うこともあるヘラジカなので、白い、茶色いに拘わらず、もし見つけた時にはその幸運に感謝して少し遠くから見守るようにしましょう。

◆野生に近いヘラジカに遭える場所◆

Slottskogenのヘラジカ二頭

Slottskogenにいる二頭のヘラジカ

ストックホルムSkansen
ストックホルムの中心部から繋がったユールゴーデン島の西側にある野外博物館です。歴史的・文化的な建物や展示物だけではなく、屋外アクティビティや動物園も兼ねていて、大人でも子どもでも楽しめる広大な施設です。
ヨーテボリSlottskogen
ヨーテボリ中心からすぐにある森林公園の動物エリアに2-3頭のヘラジカが自然に近い状態で飼育されています。Slottskogenはとても広く、音楽の野外イベントが行われたリもしますが、普段から家族でピクニックをしたり、フリスビーやバレーなどを楽しむことができる無料の公園です。動物エリアには子ども用のミニ動物園もあって時間によっては動物に触れ合うこともできます。



開館時間が長く、展示内容がより充実した夏の方が楽しめるため、ぜひ5-8月に訪れることをお勧めします。

参考記事(2017/8/15-17):
svergesradioio
EXPRESSEN
AFTONBLADET

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