Surströmming(シュールストレミング)ってどうやってできている?

作り方

最終更新日 2020-02-20

こんにちは!スー子です。

シュールストレミングに興味をもっていただきありがとうございます ^^ ところであなたは、 Surströmming(シュールストレミング)がどのようにできているのかご存知ですか?シュールストレミングに興味がある方ならば気になるのではないでしょうか。
私はまだ実際に作っているところを見たことがないので、いつか生産工程をこの目で見たいと思っています。シュールストレミングは「腐った魚」という代名詞をつけられることが多いのですが、一応、発酵食品です。私もお邪魔したことのあるOskars社のローカルでユニークな製造現場をご紹介します。

「発酵」「腐敗」も、どちらも微生物がその食品のある成分を分解することで別の成分に変えるという現象ということでは同じなのですが、違いは分解により生成される成分が「人にとって有益な成分」かどうかがポイントです。Surströmmingの場合は何を分解して何を生成しているのかが私も今のところ分かりませんが、食用として認められていて日本にも輸入できていることからすると、「人にとって有益な成分」を生成した発酵食品という理解なのだと思います。栄養成分としては、やはりタンパク質が多く脂肪分は発酵によって分解されていて少ないのだとか。発酵食品はアンチエイジングにもいいと言われているのでシュールストレミングも極めて体にいい食べ物だということが分かりますね。

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Oskars社のシュールストレミング生産工程を纏めたVTRがYouTubeにて公開されていて面白いためご紹介します。

Surströmmingの生産方法

スウェーデンのシュールストレミングメーカーのトップ3に入るOskars社ですが、毎年約33万缶を生産しています。このOskars社でのシュールストレミング生産工程をVTRにした素晴らしい人がいます。字幕がスウェーデン語ですが、映像だけでも分かりやすく見る価値があります。(日本語のまとめ訳はVTRの下を参照ください)

(制作:Love Melander)

◆VTRを纏め翻訳すると以下のような工程になります。

  1. 10トンの獲れたてニシンのタンクから水を抜いて、管理された濃度の塩水を入れていく
  2. 手作業でタンクの中をかき混ぜて1日間置く
  3. ニシンをコンベアーに流して、傷んでいるものやサイズが極度に小さいものをはじく
  4. ニシンの頭をカットし、身を残す
  5. 綺麗になった身を樽に入れていく
  6. 蓋をして冷蔵室で8-10週間発酵させる
  7. 発酵が完了すると、缶詰作業となり夏休みに入った高校生(23名ほど)がやってくる
  8. コンベアー上で流れ作業でシュールストレミングを缶に詰めていく
  9. 合間で社長が自ら各樽のシュールストレミングを味見してチェック
  10. 最後に分量を確認・調整し缶を蓋で閉じる
  11. 最終工程である缶の洗浄機械を通過
  12. 箱詰めされ出荷

Lureå(ルレオ)のKallaxでの生産方法

スウェーデン北部のルレオの郊外のKallaxという町でのシュールストレミング生産方法はもう少し細かくてこのような感じです。

  1. 獲ったニシンの頭と腸(はらわた)を取り除く
  2. 塩分の濃い塩水に1-2日間浸して血を抜く
  3. 血の出た塩水を捨てて、新しく塩分の薄い塩水につけて蓋を閉じる
  4. 3週間もすると蓋の下が発酵によりブクブクと泡を立てるようになる
  5. 4の発酵サインから約8週間このまま発酵させる
  6. 味見をして缶詰作業

「発酵食品は世界中どこにでもある。でも、スウェーデンのシュールストレミングほど白か黒かはっきりと意見が分かれる食品は珍しく、その点がシュールストレミングの面白いところなんだ。」とKallaxの生産者の一人が言っています。

本当にその通りだと思います。
この見解は、日本の納豆にも通じるところがあるかもしれませんね。地域性と好き嫌いがはっきりしている日本文化だと思いますがシュールストレミングはスウェーデン版納豆というところでしょうか。

話が少し逸れますが、私は納豆も好きですが、納豆もシュールストレミングも、それを好きな人と一緒に食べるほうが断然美味しく感じるのはなぜでしょうね。やはり文化とは、それ自体の必然性や魅力ももちろんあるのだと思いますが、人々によって守られ習慣化されることで創られていく要素も大きいのかなと思います。スウェーデン北部でよく食べられているシュールストレミングですが、地域に根付いた文化的な食べ物だと改めて感じます。

シュールストレミングの生産VTRを見て

シュールストレミングの生産工程で私にとって衝撃だったのが、缶詰め工程です。缶に詰める際に、あんな風にジャブジャブとシュールストレミングのシンクに漬けているとは想像していませんでした・・・。シュールストレミングは本当にニオイがきつく、手につくとなかなかニオイが落ちないし、服についた日にはその服だけを洗濯機で3回くらい洗ってやっと落ちます。
スーパーでシュールストレミングを買うときに匂うことはほとんどないため、まさかジャブジャブ缶を浸していると思ってもいませんでしたが、確かに生産効率を考えるとあのようなやり方になるのでしょうね。
そんなシュールストレミングの缶詰を昔、スーツケースや持ち込み荷物に入れて持ち歩いていた自分が少し怖くなりました・・・。このお話はこちらをどうぞ・・・。


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