奢(おご)っちゃダメ?スウェーデン人のプレゼント感覚

スウェーデン人のプレゼント事情

こんにちは!スー子です。

スウェーデンに行ったことのある方やゆかりのある方は、スウェーデン人にお土産をあげたり、何かプレゼントをしたことがありますか?私はスウェーデンに行くたびに必ず日本のお土産をホストファミリーや友人たちに持って行くのですが、この10年でスウェーデン人の「プレゼント」に関する意識への理解と、あげて喜ばれるお土産の感覚がやっと分かってきた気がします。もちろん人それぞれ好きなものや好みがあるため一概には言えませんが、ちょっと意外なスウェーデン人の「プレゼント」に関する文化と、喜んでもらえる確率の高い日本のお土産をご紹介します!

プレゼント
(Photo by Kari Shea on Unsplash)

日本とは違う?スウェーデンのプレゼント文化

そもそもお土産文化が日本とは少し異なるスウェーデン。

スウェーデンでは、何かをあげるという習慣は、誕生日やクリスマス以外には基本的にありません

そして誕生日やクリスマスのプレゼントも、あらかじめリクエストをして自分の欲しいものをプレゼントしてもらうというスタイルが少なくありません。そのため、自分の好みでないものをもらうとあからさまに困ってしまう人もいます 笑 そういう悲しいことが起きないためにも、あらかじめ相手の欲しい物を聞いたり好みを探ってプレントするのがスウェーデン流なのです。

プレゼントには、サプライズという感覚よりも、その先にある相手が気に入るかどうか、また大事にしてもらえるかに注力するのが重要なのです。

ここに、スウェーデンの「物を大事にすること」と「個人の嗜好を尊重する文化」が見えます。また、自分の好みのもので価値があるものを見つけると、それが高額なものでもそのためにお金を貯めて購入するというこだわりの消費が多いのもとてもスウェーデンらしいと思います。

物をあげる習慣は少ない一方で、ホームパーティーがとても多いスウェーデンでは、お宅にお呼ばれした際には手作り料理やお酒などの飲み物、チョコレートなどを手土産に持って行くことがよくあります

これらは「金額換算」がされにくく、もらう方の気持ちの負担をあまり感じさせないという重要なポイントがあります。

奢られると困るスウェーデン人

物などをもらう側の気持ちの負担に関して、少し話が逸れますが、一般的にスウェーデン人は奢(おご)られるのがあまり得意ではありません。友人関係でも、職場でも比較的に平等で対等な人間関係を大事にしているスウェーデン人は、いわゆるギブ&テイク思考が強い傾向があると思います

また少し話が逸れてしまいますが、スウェーデンは日本と比べると外食頻度が少ないです。

都市部には、スウェーデン伝統料理はもちろんヨーロッパを始め、中華やインド料理、ファストフードなど各国料理を食べることができるレストランがありますが、食べることと料理が大好きな私の(勝手な)主観ではありますが、スウェーデンの外食時のコスパは、確実に日本のそれより低いです。というか日本のスタンダードレベルとコスパが高すぎるのかもしれません。

これは日本を訪れたスウェーデン人のほとんどが認めることでもあります。「価格の幅は様々ではあるけれど、安いゾーンのレストランでも基本的にまずいものは出ない。」と先日来日した友人の甥っ子が話していました。これは食材の好みの問題ではなく、食事として「美味しい」か「不味い」かという視点です。

もちろんスウェーデンにも高級レストランはあり、特にモダンな創作料理に関してはデンマークの「noma」のように世界的に注目されている有名なシェフもいて、それはそれは美味しいものが食べられると日本人からも聞きます。(私は高級レストランにはあまり魅力を感じず味わう機会もないですが・・・)

ホームパーティと北欧デザイン発展の意外な因果関係

話を戻して、スウェーデンの一般的な外食のレベルがあまり上がらないのには、ホームパーティー文化が根強いからかもしれないと考えたことがあります。

スウェーデン人にとってホームパーティーとは、よりリラックスした空間で大切な仲間や親戚と楽しい時間を過ごすためにベストな環境なのです。また、ホームパーティーでは、自分が日ごろから大切にしている家を、招待する人に披露するという隠れたイベントを含んでおり、インテリアが大好きなスウェーデン人が多いことも、ホームパーティー文化と深い関わりがあると言えると思います。

北欧デザインが世界中で愛される要因は、家を取り巻く様々なデザインやアイデアを一般的な個々人レベルで日ごろから探求・追求し続けてきた北欧人のライフワークの賜物なのだと思います。

そしてこのように家を取り巻くアレンジの探究し続けてきた背景には、北欧の環境が大きく起因していて、それは夏が短く冬が長いことです。白夜、極夜と言われるように、一年の日照時間が極端な北欧では、10月から3月までは寒いだけではなく、夜が長く暗い時期が続きます。

一説では、これが原因で過去に自殺率が世界でトップレベルだったとも言われています。私は、北欧デザインの発展には暗い冬に楽しみを見つけ、明るく生活を続けることに努めた北欧人の生活の知恵が大きく起因しているのではないかと感じています。

私は日本人として始め違和感があったのが、ホームパーティに招待された際に、ホスト(招待した側)が自分の自宅の中をツアーのように来る人来る人に見せて回ることです。

「あのカーテンはいついつにこんなイメージで変えた。」やら「ずっと目を付けていたソファをやっと購入したら、やはり周りの家具とマッチして最高にハッピーだ。」とか、とにかく嬉しそうに説明しているのです。そして、招待客はそれらに「あなたのイメージにピッタリね。」とか「こんなの私も欲しいと思っているのよ。」とかコメントするのです。

日本人は「家庭は聖域」というような感覚の人も少なくなく、人を呼ぶのには片付けや大きな準備が必要と考える人が多いですよね。文化の違いですね。

ホームパーティー
(Photo by Dave Lastovskiy on Unsplash)

そして、スウェーデン人が一般的に奢られるのが得意ではないのも、ホームパーティー文化が強く外食(金銭がダイレクトに発生)する人付き合い文化があまりメジャーではなかったことが要因ではないかと思います。

付き合っているカップルの間でも男性が奢ることはほとんどなく、男性が意図的に多く払うことすらあまりありません。その場で割り勘をしない場合でも、大抵は「私がここは払うから、次はあなたが払ってね。」というように金銭負担の相殺をするのが一般的で、そのような会話を何のためらいや恥じらいもなくするのがスウェーデン流です。

ホームパーティーは外食よりもお金がかかりにくいですが、時には子どもも含めると20人くらい集まることもあり、招待客も飲み物やお菓子などみんなで楽しめる何かを持参するのが一般的なのです。

スウェーデン人が喜んだ日本土産

そんなギブ&テイク精神が強いスウェーデン人ですが、プレゼントを決して受け取ってくれないわけではありません。

こちらが相手のことを一生懸命考えて選んだものや、スウェーデンにはあまりない日本特有の珍しいものなどをプレゼントすると、とても食いついてきて喜んでくれます。「お返しをしなければいけないな」と同時に感じていることもあるかもしれませんが 笑

◆人気のある日本からのお土産◆

  • ヨックモックのシガール

日本でもファンが多いヨックモックのシガールですが、スウェーデン人の口にも合うようです。また、ヨックモックというブランド名は、綴りが違うもののスウェーデン北部のヨックモック(Jokkumokku)という地名から名づけられたため、スウェーデンにも縁があるお菓子ということも併せて説明するとより喜んでもらえると思います。この地域で昔から食べられているワッフル焼き器のようなもので焼くクッキーがシガールのようにくるくると巻かれているもので、これを食べたヨックモックの創業者がフランス菓子としてシガールを生み出したのです。シガールは軽いですが、缶に入っているものだとスーツケースに入れても割れることがほとんどなく、またチョコレートのように溶けることもないため季節を問わず持ち歩くことができるお土産です。デパートでの販売が一般的ですが、楽天市場(ヨックモック・シガール)でも綺麗に包装されたものを購入出来て手提げ袋もつけてもらうことができるのでとても便利です。


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  • 市販のカレールー

日本のカレーはとても人気があるのをご存知ですか?私はホームステイ先でたまに日本食をせがまれてカレーライスをよく作っていたのですが、日頃から馴染みのある具材のため抵抗がほとんどないようで、いつも大人気でした。ルーがあれば簡単にできるため海外で作っても失敗することがなく、一般家庭にあるような材料で作れるため、今では訪問時にルーをお土産に渡すと、翌日には調理して食べている写真が送られてきます。私はハウスのバーモントカレーで育ったため、いつも バーモントカレー(中辛)を持って行きます。たまにストックホルムやヨーテボリのアジア食品店で日本ブランドのルーを見ることがありますが、驚くほど高いのとバーモントカレーではないため買ったことはありません。ホストファミリーは試したことがあるそうですが、やはりハウスが一番美味しいと言います。


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  • 圧縮袋

海外旅行に必須と言われるようになりつつある洋服やタオルをコンパクトに収納してくれる 圧縮袋ですが、日本の圧縮袋はすごく便利で海外でもうけます。特に旅行好きの人には喜んでもらえるお土産です。ただ、分かりにくい仕様のものや、使い方がきちんと理解されないと敬遠されてしまうこともあるため、しっかり目の前で実演して見せてあげることをおすすめします。価格もクオリティも様々ですが、私も100均のもので失敗したことがあります。こちらの旅行用圧縮袋は二年間の交換保証付きです。他の購入者の口コミ評価も高く、そのようなことは起きていませんが万一、空気が入るようになってしまっても安心できるので頻繁に海外に行く方はご自分用にもチェックしてみてくださいね。


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  • 洗濯ネット

スウェーデンにも洗濯用のネットはありますが、正直質があまり良くないです・・・。そして極めて素朴なただのネットなので、日本のように可愛らしい柄がついていてしかも作りが丈夫な洗濯ネットにとても関心を持たれたことがありました。友人宅に泊まった際に友人の洗濯に便乗させてもらった時に想定外のツッコミがあったのです。「その洗濯ネットいいね!」そして次に訪れた時にプレゼントすると早速使ってくれて、物に対して自分の評価基準や指向が相当強い友人ですが想像以上に喜んでいました。私のおすすめはスリーコインズのこちらです。サイズと形がいくつかあるのですが、おススメは餃子型やドラム缶型のものです。生地が分厚くてブラジャーなどフックがある洋服でも問題なく守ってくれます。

洗濯ネット
スリーコインズの洗濯ネット

  • 日本の文房具
    ボールペン一つとっても日本の文房具は使いやすく機能性に優れているものがとても多いです。また相撲デザインのポストイットなど、消耗品でさえデザインに凝ったものがたくさんあるのも日本ならではだと思います。日本ぽいもので使ってもらえそうな気軽なお土産なら文房具をおすすめします。東急ハンズやロフトには外国人が喜びそうな日本っぽい文房具がたくさんあるので見てみてください。

ちなみに、日本のサランラップは海外で評価が高いお土産ですが、スウェーデンに関してはサランラップを渡す前に、一つ事前に知っておきましょう。

日本では当たり前のように「ラップをかけてレンジでチン」が常識ですが、スウェーデンでは電子レンジを使用する際にはまずラップは使用しません。ラップは薄いプラスチックのため溶けてしまうという概念があるからです。つまり、スウェーデンにもラップはあるもののそれらのほとんどが電子レンジの熱に耐えうる仕様にはなっていないのです。ではレンジで温める際にはどうするかというと、日本でもたまに見ると思いますがプラスチックの深いお皿を逆さにしたようなケースで上から覆います。そのため、そもそもラップの使用頻度が日本より少ないというのが一つあります。

また料理を冷蔵庫で保管するという習慣も日本と比べると少なく、衛星上の観点からその日のうちに食べきれなかった料理は、徹底して廃棄してしまうという家庭も少なくありません。気温も湿度もよっぽどスウェーデンよりも高い日本で育った私の感覚からすると、スウェーデンなんて夏でも涼しく湿度もないため食べ物が腐ることなどなかなかないと思うのですが、こればっかりは彼らの感覚なので何も言えません。

スウェーデン人へのお土産・プレゼントのまとめ

お土産に試行錯誤してきた私ですが、分かったことは意外なことでした。それは、自分が普段何気なく使っているものが意外と興味を引いて、欲しいと思われるということです

前述した通り、スウェーデンは日本に比べてお土産の文化が薄いため、肩ひじ張ったお土産は響かないかもしれません。

また、渡す際には相手が気を使わないよう配慮することも忘れないようにしてください。あまりに高価なものをあげてしまうと、色々と疑問が生まれたりすることもあるため、関係性に適ったお土産選びをおすすめします。

どちらかというと、高価なもの、日本で価値のあるものを選ぼうとするよりは、相手の趣味や嗜好を察知して喜んでもらえるものを選ぶという「時間>お金」でのお土産選びがいいのではないかと思います

スウェーデン人はシンプルライフを好む人が多く、物を多く持とうとしない人が多いと感じます。こだわりを持っていていいものを持ちたいという思いがあるため、お土産を通じてそういうスウェーデンスタイルを垣間見ることができるのも面白いと私は思います。

また、スウェーデンでは、プレゼントの包装用紙は基本的にビリビリに破いて開けられますのであらかじめご承知を(笑) 日本だと、包み紙を丁寧に開けるのがある意味プレゼントや送り主への敬意という感覚があると思いますが、スウェーデンでは豪快に開けて包装用紙は容赦なくくしゃくしゃにされて捨てられるのです。これには全く悪意はありませんのでどうか気にしないようにしてください。(笑)

以上、意外な文化の違いが出る、スウェーデンのプレゼント事情と喜ばれるお土産紹介でした。

ご参考になれば幸いです ^^




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