こんにちは!スー子です!
2022年に無事就職することができ、私は現在フルタイムで働いています。
今回はスウェーデン在住歴トータル7年となった今、私が家庭内、親戚や友達付き合い、職場や子どもの保育園など社会の様々な場面で感じるスウェーデンでの「効率」のお話です。
スウェーデンの効率とはどんなものなのか、そして背景にあるスウェーデン社会の価値観の中で日本人の私が感じる日本との違いとスウェーデンで上手く生きる術についてお話ししたいと思います。
日本は、世界の先進国と比較して非効率(特に職場や労働における非効率)ということが近年言われていますね。どうしたら日本人が日本で今より少ない犠牲でも今より高い賃金を得ることができるのか、そしてどうしたら持続可能なワークライフバランスを築くことができるのかを、スウェーデン在住ながら私はよく母国である日本社会の将来について考えます。
また、この「効率」の概念や価値観が、スウェーデン国民の幸福度に通じていると実感していて、一方で日本人の低い幸福感にも影響していると考えるようになりました。
毎回のことながら、私の主観がたっぷりの記事になると思いますが、一緒に考えを巡らせていただけたら嬉しいです。

スウェーデンで働くときの鉄則とは
私は現在スウェーデンにて国家公務員としてフルタイムで働いていますが、二年経った今でも仕事への向き合い方や職場でのカルチャーショックに見舞われることがあります。効率的と言われている北欧ですが、その効率の価値観を生み出している社会や人々の価値観がそもそも日本社会とは異なると感じます。職場によって、また公務員と民間企業でも異なることはあると思いますが、社会一般的には共通して言えることがあると思います。
まずはスウェーデンで働く際の仕事の鉄則を挙げたいと思います。
- 常に必要最低限のみ、そして範囲内の仕事のみを行う
日々の業務においては、決められた必要最低限をこなすことが重視されていて、それ以上を求められることはありません。
ただ、どんな仕事であっても、業務中に自分の範囲外のことや他の担当者の管轄の内容がでてきたり、関わらざるを得ないことがありますよね。そういう時には、相手がお客様であっても「分からない」と言ってそれ以上は引き受けない、もしくは不確かでも誰かに繋いで完了。それ以降は関わらないというのが基本です。そして、決められた範囲外のことを行っても特に上司からの評価に繋がらないこともよくあります。 - 常に優先順位付けを求められる
年に数回ある上司との面談では、常に優先順位付けに困っていないかを確認されて、上司は部下が普段の業務に問題を抱えていないか、また必要以上やそれ以外の業務に携わっていないかどうかを管理しています。また、苦手分野を挙げて責められることは少なく、反対に、得意分野や自分の関心のある分野での成長を望まれる傾向が強いです。 - 自己責任で仕事を遂行する
基本的に決められたルールや規則に則った上で自己判断・自己責任にて業務を遂行することが求められ、上司は部下の業務を細かく管理しません。 - 問題は起きてから解決する
スウェーデンでは、問題は起きてから解決すればよいと考えられています。先読みしたり先回りして問題提起をしても相手にされないことがほとんどです。これは職場のみならずどんな場面でも共通して言えることです。Aがダメだった時に初めてBを考えればいい。そしてその時にCを同時に検討する必要はないという考え方です。恐らく経営者や組織のトップにいるような人はある程度のリスクマネジメントはしていると思いますが、部長クラス以下の人たちが先読みをすることは求められていないように見受けられます。国家機関の業務でも「とりあえずやってみる」が多いです。 - 人助けは、したい人がしたい時だけでよい
仕事上で困っている人がいた場合、周りが進んで助けをオファーすることは基本的にはありません。困った本人が上司に相談した上で、上司から支持を受けて助けることとなり、それ以外は困った人が助けを求めても、助けるかどうかは完全に自分次第という常識があります。
これはプライベートでも同じで、家族や友人に助けを求められても「疲れているから」や「今は忙しいから」などと自分が気乗りしない場合には当然断る権利があるのです。逆になんでもOKして引き受けてしまうと、たいして感謝もされず「暇だったから」や「本人がやりたいかったから」というように受け取られて、利用されてしまうことが多くなります。そして助けた人が失敗したりトラブルを抱えても、助けを求めた本人や周りが守ってくれるわけでもなく、むなしい思いをすることもあります。一方で、見知らぬ人を道端で助けることは多いのがスウェーデン社会の謎です(笑) - ミスをしても謝らない
仕事に限らずスウェーデン社会では、何か不都合が起きても、その要因となった人が故意で行ったわけではない場合、謝ることは特に求められません。例えば、何か記録ミスをしたり、記載間違いをしたりしても、起きてしまったことの対処のみで反省や謝罪を求められることは基本的にありません。一方で、同じようなミスを何度もしていると上司からヒアリングが入り、何か困っていることや必要な対策(教育プログラムなどの希望)があれば申し出るように言われるのが通常です。 - 上司は部下の仕事はできなくていい
日本の会社と大きく異なるもが、上司が部下の仕事を分かっていない(代わりを担えない)ことが正常ということです。私の上司は私の仕事範囲や概要は分かっていますが、対応している案件などには一切関わっていないし、案件の内容で助けを求めても対応はしてもらえません。上司の仕事は、私が自分の仕事領域を理解しているか、優先順位付けができているか、困ったときの道筋建て、心身ともに健康なベースを持っているかなどであり、雇用に関することや仕事への取り組みに関する相談やキャリア相談には乗ってくれます。つまり仕事のこなし方については個々人の持つ責任に委ねられており自己完結もしくは同僚や専門知識のある部門の同僚などに自らコンタクトを取って解決することが求められています。 - 人には期待しない
これは職場だけではなくスウェーデン生活全般にてもっとも必要な知恵だと私は思っています。空気を読む、言わなくて察することが比較的当たり前な日本社会と比べてスウェーデンでは、「言った(頼んだ)ことの最低限がなされていれば良しとする」という前提がないと心が折れます。。。こちらが良かれと思って効率的な先回りをして一度に沢山のことをお願いしたり、追加情報を与えようものならば、逆効果になりかねません。そして本当に大切なことについては、笑顔で何度かリマインドする必要があります。 - プライベート重視
スウェーデンでは家族が一番大事、そして仕事とは、人生やプライベートを充実させるための手段の一つという考え方が一般的です。そのため、会社や上司が残業を強いることは限りなくタブーであり有給取得率はほぼ100%と雇用者の権利が確保されていると感じます。スウェーデンではいわゆる「社畜」は特に評価されません。
また、部下の安定した心身の健康は、安定かつ持続可能な仕事の成果に直結すると考えられているため、健康状態やプライベート上の問題の把握は上司の大切な任務の一つです。実際に私の上司も、私が職場のみならず外で大きな問題を抱えていないかどうかを陰ながら気にかけていること感じます。そのため、上司のポジションに立つためには上司のための教育を雇用主から課されていることがほとんどで、その中でコミュニケーションに関するスキル等をきちんと勉強した人が上司になれるのがスウェーデンです。 - 「お客様は神様」なんてことはない
サービスを受ける側の立場が優位という考えはスウェーデンにはありません。客であっても企業や店へ敬意をもって接することが求められ、敬意のない(横暴な)客は望むものを得られないこともあります。ちなみに私は国家公務員ですが、国民(住民)が横暴な態度で接してきた際は、相手に伝えてもその態度が変わらない場合にはサービス提供を中断・中止する権利があると研修時にはっきり言われました。
スウェーデンの「効率」支える「寛容さ」とは

スウェーデンの職場での鉄則は、日本人の価値観とはかなり異なると思いませんか?
一言でいうと、「人はみな平等で敬意を持って、とにかく“シンプル イズ ベスト“」という感じです。
私が感じるスウェーデンでの職場の効率とは、余計なことは考えずに必要なことだけを選定してスマートにこなし、得意を伸ばし、有休はしっかり取って細く長く働くことです。
これを社会全体が体現しているため、個々人の仕事における負荷が軽い一方で、希望するサービスやそのスピードは期待できないし、思い通りいに物事が進まないことを各々が受け入れる寛容さを求められていると感じます。これが日本社会とは180度違うのではないかと私が思う点で、スウェーデンの効率さだと考えています。
遅刻しても堂々としていいスウェーデン
「効率」の裏にある重要な社会の一面である「寛容さ」の例を一つ挙げると、遅刻に対する概念がスウェーデンと日本では大きく異なります。例えば私の身近で起こりうる例を挙げると、私が仕事前に娘を保育園に送り届けた時に朝の当番の先生が何らかの理由で遅れているために通常通りの娘の引き渡しができず時間を要してしまい、私は仕事に遅刻してしまうとします。この時のスウェーデン人的な考え方・対応とは、先生や園は特に親に謝罪しない、そして私は先生や園を責めることはせずこのハプニングを受け入れて冷静かつフレンドリーに娘を引き渡し次第落ち着いて職場に向かい、上司に事情を話し遅刻の原因を報告すると、上司は「それは大変だったね、仕方ないね。さ、今日も一日楽しく頑張ろう!」という反応です。意図して遅れたわけではないため、急いで出社する必要も上司に謝る必要もありません。そして上司から叱責されたり、疑われたりすることは基本的にはなく、遅刻による減給などの罰則も基本的にはありません。私の職場の場合、フレックスでの時間調整が可能なため、貯めていたフレックスから遅刻分を引かれるのみです。
ただ、もしこのようなハプニングがたびたび起こるなど、私の言動に懐疑的になった場合には上司が私と面談をして、何か事情があるのかどうか、上司や会社ができることはないかと聞かれることとなります。
スウェーデンで仕事生活を成功させるカギとは?
さて、ここまで効率と寛容さについて職場での話をしてきましたが、私がこれまで二年半ほど国家機関で働いて感じる、スウェーデンの仕事生活を生き抜く術について挙げたいと思います。
- 他人を責めずに違いを受け入れること
- いい面、ポジティブなことに着眼すること
- 余計な原因究明をしないこと
- その時々にできることを見つけ素直に行うこと
- 雇用者として上司や雇用主に誠実に対応すること
多くの人が同じミスがするような事態であれば、原因や背景を調べ改善をすることがその後の生産性を上げ、効率性に寄与しますが、執拗な原因究明や他人のあら捜しには生産性がなく、非効率性に繋がります。部下や同僚の意図しないミスを咎めてモチベーションを下げたり、言動を疑うことばかりの職場は雰囲気が悪く、社員のやる気を下げてしまい、それこそ生産性や効率性が下がり、成長や成果、発展の持続可能性を危うくするのではないかと思います。
スウェーデン社会から汲み取る幸せの秘訣とは
そしてこれらを受けて、仕事以外でも私がスウェーデン生活全般で心がけていることは、
- 抱え込みすぎない
- 自分や人の良いところに着眼して行動する
- 多様性をポジティブに受け入れて活用する
- 素直に誠実に人に接する
ことです。これが「言うは易く行うは難し」なのですが。。。涙
そして、受けられるサービスにゲンナリしたり、購入品のコスパの悪さは日本と比べてしまうとため息が出てしまうことなんて日常なスウェーデン生活です。
日本人で日本で育った私が、それでもスウェーデンの方が生きやすいのではないかと感じるのは、これらの価値観により、自分にも人にも甘い社会だからなのではないかと思うのです。人を責めたり人に責められたりすることがないと、人はこんなにも開放的になり、生きやすいのかと感じます。

先ほどの遅刻の例をとっても、すべての始まりは保育園に遅れた先生から始まっていますが、先生がどんな理由で遅れたにせよ、それを私たち保護者が咎めることが基本的にはないのは、保護者達が会社や上司から遅刻を責められたり咎められることがないからなのです。そしてそれで職場や相手先にしわ寄せがおこったとしてもそれは仕方ないこととして受け止められ、できる限りのことを各自が行うのみなのです。日本人がヨーロッパに来てサービスの質にがっかりするのはこういう社会による結果で、旅行者としてサービスを受けるのみの立場の場合には、なかなか理解するのは難しいかもしれません。実際に社会に組み込まれて生活して初めてこの「からくり」が見えてくるのだと思います。
反対に、外国育ちの外国人に日本社会が理解されにくいのも同様の理由だと思います。電車が1分も遅れない素晴らしい社会の裏には、人々が強い責任感を持ち、互いに期待し合い、責任を追及する社会のおかげということです。でも個々人の幸せを考えたら果たしてどちらが幸せなのでしょうか・・・。
不便でも、寛容な社会で、人から執拗な期待を受けない人生のほうが、どんな人でも幸せに生きやすいのではないかなと感じる海外生活トータル7年のスー子です ^^ 特に、不意の病を抱えることになったり障害を持っていたり、子育てをしたり、介護をしたり、何が起こるか分からない人生を思うと寛容な社会こそ生きやすく少子化脱却に繋がるのではないかなと考えるのです。
スウェーデンの効率さとは、一言でいうと個々の持続可能な幸せな人生を実現するためのものであり、またそのような個々が持続可能な社会の維持と発展に寄与すると考えられているのだと思います。