Surströmming(シュールストレミング)大事件

大事件

こんにちは!スー子です。

その昔、まだ私の Surströmming(シュールストレミング)歴も浅かった頃に非常にひやひやする出来事がありました。

シュールストレミングを生物兵器と呼ぶ人もいますが、本当にそうかもしれませんね・・・。今では起こりえない話ですが、この日の自分を思い出すと笑える面白い話です。シュールストレミング好きの方の今後のご参考になれば幸いです!


私が初めてスウェーデンに行ったのは高校時代の留学でしたが、当時はまだ液体の機内持ち込みがOKでした。

私は一年間の留学を終えて、刺激的過ぎたその生活やホストファミリーに別れを告げるのが、それは悲しくて悲しくて、もう一生ここには戻ってこれないような気がした帰国の日でした。

そんな私はスウェーデンで大好きになったシュールストレミングを3缶、それも大きいサイズを手荷物(ボストンバッグ)に入れて、重いのは今の私の悲しみに比べたらなんてことないと自分に言い聞かせてスウェーデン北の小さな空港から飛行機に乗りました。

見送ってくれたホストファミリーの前では泣かず我慢をして、最後列のすぐ手間の座席にボストンバッグを下ろして一息ついて、別れ際にホストシスターがくれた手紙を読みました。周りにはあまり乗客がいませんでした。

私がこの家に来てすぐに初彼氏ができた彼女は、私とあまり過ごすことができなくてごめんという謝罪の言葉とともに、この一年で起きた面白かったエピソードなどをたくさん書いてくれました。

抑えていた涙がボロボロ出てきて、それを拭ってもまたボロボロ出てくる始末でした。

そんな中、CAさんが近づいてきて、「どうしたの?何があったの?」と優しく声を掛けてくれました。

私が楽しかった留学生活から帰国すると説明をすると、ハグをしてくれて「また遊びに来ればいいじゃない。」と優しく言ってくれました。

そして私のボストンバッグを頭上に収めようと持ち上げたのですが、あまりに重いので一度座席に戻して「これ重いわね!何が入っているの?」と。

私は鼻水を垂らしながら「大好きなSurströmming(シュールストレミング)です。重いけど頑張って持って帰ります。」と気丈に宣言したところ、CAさんの顔がオーマイガーという顔になるのが分かりました。

CAさん
「Surströmming(シュールストレミング)ってあの発酵した臭い魚の缶詰め?まずいわ!それはダメよ!」


「何がまずいの?ちゃんと持って帰れますから大丈夫ですよ。」

CAさん
「そうじゃなくて・・・・数年前にスウェーデンからカナダに飛んだ飛行機の機内に持ち込まれたSurströmming(シュールストレミング)が気圧で爆発して、大変な異臭と爆弾騒ぎで、その飛行機は引き返したって聞いたのよ!」


「えぇー!!」

CAさん
「話によると持ち込んだ人は莫大な弁償金を支払ったそうよ・・・。あなたが持っていることがバレたら、降ろされるか捨てられるかもしれないわ。」

待てよ、、、落ち着け。
私の持ち込んだ缶は・・・

パンパンに膨れていたぁー!!

そしてシュールストレミングの解禁は例年8月で今は6月。ということは、私が持っているのは去年のシュールストレミングたちではないか!!確実に発酵が進んでいるに違いない・・・。

そう思っても時すでに遅しで、飛行機では着席のアナウンスが流れて席に着くよう促されました。

するとそのCAさんは私に耳打ちして「このことは私とあなたの秘密よ。シュールストレミングが入っているなんて誰にも言わないのよ。いいわね。日本までの無事を祈っているわ。」と言って去っていきました。

大事件

ボロボロ泣いていた私の涙は一瞬で引いて、代わりに冷や汗がガンガンわいてきました。

これからストックホルムで乗り換えて、さらにドイツで乗り換えて日本に辿り着くなんて、一体この愛おしいシュールストレミングたちはどれだけの気圧変化に耐えられるのだろうか。

とりあえずストックホルムについたら空港で袋を探して3重くらいに覆っておこう。

いや、でももし仮に爆発したら3重のビニールなんかでは抑えきれるはずがない、そうシュールストレミングのニオイは無敵だ。

ストックホルムまでの一時間のフライト中、気が気ではありませんでした。

何とかストックホルムの空港で袋をゲットして、缶詰をタオルで巻いて上から3重に袋で閉じました。後は幸運を祈るしかありません。

当時は、液体OKで荷物チェックも大して厳しくなかったため、ストックホルムでもドイツでも全く引っかからず、ついに最終地点の東京まで無事に持ち帰ることができました!!

家に持ち帰りタオルを外してみると、それはそれは激しくパンパンに膨らんでいました・・・。やはりドイツ-東京間のフライトが一番の難関だったと思います。

そんなこんなで持ち帰られたシュールストレミングは家族、地元の友人に振舞われることとなりました。
たしか、この2年後くらいに液体の機内持ち込み制限が始まったと思います。

シュールストレミングにまつわるエピソードはいくつかありますが、この大事件(結果的には事件にならずに済んだ)はかなりインパクトの強いエピソードです。

さて、シュールストレミング好きの方の面白エピソード、お待ちしています!


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